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【危険】退職代行は違法?利用者も罰を受ける?

【危険】退職代行は違法?利用者も罰を受ける?

退職代行の利用を検討する人には「退職代行は違法ではないのか?」「違法業者に依頼したら利用者も罰を受けるのでは」という悩みがあるのではないでしょうか?

退職代行で会社を辞めるには、お金がかかります。お金を使って、トラブルに巻き込まれるのは避けたいですよね。

この記事では退職代行が違法なサービスなのか、退職代行の利用者も罰を受けてしまうのか、ということについて詳しく解説していきます。違法業者に引っかからないためのポイントもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

退職代行は違法?
  • 退職を伝えるだけなら退職代行は違法にならない
  • 民間企業運営の退職代行が「退職の交渉」を行った場合、法律違反になる
  • 退職代行で違法の被害に遭わないポイントは3つ
  • もし違法行為の被害に遭ったら「弁護士」「警察」「国民生活センター」に相談しよう
目次

【まずは結論】退職を伝えるだけなら違法にはならない

【運営元別】退職代行が違法になるケース

「退職代行を使いたいけど、違法なのではないか」と、退職代行の利用をためらっている方もいらっしゃるでしょう。

退職代行は依頼者に代わって退職を伝えてくれる便利なサービスですが、法律に違反するトラブルは避けたいものです。

結論から言いますと、退職代行で退職を伝えることは違法ではありません。というのも、日本に退職を伝える手段を縛る法律は存在しないからです。

たとえば民法第627条には、以下のように示されています。

第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。引用元:e-Gov検索 

上記のように退職のできるタイミングについての定めはありますが、退職を伝える方法の定めはありません。

つまり退職できるタイミングさえ守れば、退職の意思を自分で直接伝えても退職代行を利用しても法律上の扱いはまったく同じなのです。

非弁行為を行うと違法になる可能性あり

退職代行で退職を伝えること自体は違法ではありませんが、「非弁行為」を退職代行業者が行ったことが分かった場合は、違法になる可能性があります。

非弁行為とは、弁護士に認められている法律行為を弁護士以外が行うことを指します。退職代行における、以下のようなことです。

  • 退職日の調整や有給消化など、退職に関する交渉を会社と行う
  • 未払賃金や給与などの請求を依頼人に代わって行う

これらの行為は非弁行為となり、弁護士以外が行うと罰金や懲役といった罰則の対象になります。

【運営元別】退職代行が違法になるケース

【運営元別】退職代行が違法になるケース

退職代行は運営元ごとに代行できる業務範囲が異なり、違法になるケースもあります。

退職代行の運営元

3つの運営元ごとに、どのようなことが違法になるのか見ていきましょう。

運営元が弁護士の場合

退職の意思を伝える
有給消化の希望を伝える
未払残業代・給料の支給希望を伝える
退職日の調整
有給の交渉
未払残業代・給与の交渉
未払残業代・給与の請求
パワハラなどの損害賠償請求
訴訟対応

運営元が弁護士の場合、退職代行業務で違法になることは何もありません。

退職代行はもともと弁護士の業務の一つです。パワハラや違法な長時間労働など労働問題の相談に来た人は、会社で働き続けることが危険な場合もあります。

出社が危険だと判断されたときに、相談者を守るため退職代行が行われていました。弁護士の退職代行なら違法性なくすべての業務を任せられます。

運営元が労働組合の場合

退職の意思を伝える
有給消化の希望を伝える
未払残業代・給料の支給希望を伝える
退職日の調整
有給の交渉
未払残業代・給与の交渉
未払残業代・給与の請求
パワハラなどの損害賠償請求
訴訟対応

労働組合の退職代行は未払残業代・給与の請求屋、損害賠償請求、訴訟対応を依頼者に代わって行った場合違法になります。

退職希望のUさんUさん

弁護士ではないのに、有給や未払残業代の交渉をしてもいいんですか?

辞め先生辞め先生

労働組合は憲法で「団体交渉権」が認められているので、交渉をしても違法にはなりません

労働組合には団体交渉権が認められているので、弁護士と同じように退職の交渉ができます。

 

ただし近頃は「労働組合が退職代行で交渉を行うのは違法」というご意見もあることから、交渉に消極的な業者もあるようです。

運営元が民間企業の場合

退職の意思を伝える
有給消化の希望を伝える
未払残業代・給料の支給希望を伝える
退職日の調整
有給の交渉
未払残業代・給与の交渉
未払残業代・給与の請求
パワハラなどの損害賠償請求
訴訟対応

民間企業が運営する退職代行は、退職の意思や有給の希望などを「伝える」こと以外は非弁行為です。

非弁行為に関する罰則は弁護士法第77条に定められており、「2年以下の懲役または300万円以下の罰金」になります。

非弁行為による罰則は、依頼者に関係ありません。しかし違反した業者のことを警察などに聴取される恐れがあります。

【失敗しない】違法じゃない退職代行選びのポイント

【失敗しない】違法じゃない退職代行選びのポイント

違法ではない退職代行を選ぶには、3つのポイントがあります。

違法ではない退職代行業者を選んで、安全に退職しましょう。

弁護士監修は弁護士運営の退職代行ではない

退職代行サービスのホームページを覗くと、「弁護士監修」をうたっている業者を多くあります。

弁護士が運営している退職代行と誤解しがちですが、「監修」と「運営」はまったく異なります。

  • 弁護士監修・・・退職代行サービスのサービス内容を弁護士が指揮・監督している
  • 弁護士運営・・・退職代行サービスの業務を弁護士が直接行っている

つまり弁護士監修は「退職代行に弁護士が関わっているから違法ではない!」というアピールに過ぎません。弁護士監修の退職代行業者は、ほとんど民間企業運営の業者です。

「弁護士」と付いていると安全な業者だと感じてしまいますが、業者の安全性とはあまり関係がありません。

弁護士運営と勘違いして弁護士監修の業者を選んでしまうと、ご自身の希望通りの退職ができない可能性があります。

サービス内容が非弁行為に該当していないか確認する

【運営元別】退職代行が違法になるケース」でもご説明した通り、退職代行は運営元別に代行できる範囲が異なり、範囲を超えた業務を行うと法律違反になります。

運営元 退職の交渉 請求・訴訟対応
民間企業 できない できない
労働組合 できる できない
弁護士 できる できる

たとえば「有休消化の交渉ができます」と言えるのは、弁護士と労働組合の退職代行業者だけです。もし民間企業の退職代行業者が「できます」と言っている場合は、非弁行為を堂々と行っていることになります。

料金が安いだけで依頼してしまうと、違法業者の恐れがあります。必ず運営元とできる業務の範囲を見比べて、「非弁行為をしている業者」ではないか確認しましょう。

悪い評判や口コミのある退職代行は避ける

退職代行にはさまざまな評判や口コミが寄せられています。悪い評判のある業者に依頼するのは避けたほうが無難です。

たとえば「料金を支払った途端、業者と連絡取れなくなった」や「退職を実行したというのが嘘で会社とトラブルになった」といった悪い評判や口コミのある業者は、詐欺業者の可能性があります。詐欺は違法行為であり、犯罪です。

もちろん評判や口コミは個人の感想なので、すべてを信じるわけにはいきません。しかし火のない所に煙は立たぬという通り、何の落ち度もない業者にこのような悪い評判や口コミが書きこまれることはほぼないです。

違法ではない退職代行業者を選びたいなら、悪い評判や口コミがある退職代行を避けるようにしましょう。

【違法業者】退職代行であったトラブル事例

【違法業者】退職代行であったトラブル事例

退職代行の違法業者に依頼してしまうと、どのようなトラブルに遭うのでしょうか?実際にあった4つのトラブル事例をご紹介します。

料金を払ったのに退職を実行してくれない

退職代行の料金をきちんと払ったのに、退職代行が実行されないという詐欺行為も少なくありません。実際に会社が存在しているのかも怪しいケースです。

このような詐欺業者に依頼すると、退職するどころか懲戒解雇や損害賠償請求など会社とトラブルになってしまうかもしれません。

退職代行を利用する人は精神的に追い詰められている場合が多く、退職代行を比較検討する余裕がないこともあるでしょう。

しかし近頃は退職代行のなかにも実績豊富な有名な退職代行業者が出てきたり、退職代行サービスのランキングや口コミ、評判などがインターネット上に多く閲覧できたりします。

そのような情報を参考に選ぶようにすれば、詐欺業者は回避できるはずです。

退職完了後に連絡が取れなくなる

違法とは言えませんが、退職完了後に退職代行業者と連絡が取れなくなるケースもあります。

退職代行は基本的に「退職完了」までは業務です。そのため退職完了後に連絡後業者と連絡が取れなくなったり、適当な内容を返信されたりということがあります。

しかし退職代行で退職した人にとって、退職はゴールではなくむしろスタートです。

会社を辞めてから「退職書類がちゃんと受け取れるか」や「保険や年金の手続き」など、不安に感じることはまだまだ多くあるでしょう。

もし退職完了後も退職代行業者のフォローを受けたいなら、アフターフォローのある退職代行を選んでください。

依頼時に聞いていない追加料金の請求がくる

退職代行の料金は基本的に前払いです。しかし退職完了した後にさらに追加料金を請求されるケースがあります。

驚いて業者に確認すると「○○に対応した費用」と言われてしまうようです。また「聞いてない!」と一度は突っぱねても、何度も電話や手紙などで督促をされると煩わしくなって払ってしまう人もいます。

退職代行は、ホームページ上に提示されている料金が安いからといって飛びつくのは危険です。

まずは相談時に料金システムをしっかりと聞いて、納得してから依頼するようにしましょう。また確認漏れが不安な場合は、「追加料金なし」の退職代行を選ぶようにしてください。

勝手に退職の交渉をされる

民間企業の退職代行業者に退職の交渉はできません。依頼者が頼んでもいないのに、悪質業者に退職の交渉されてしまうケースです。

あなたの辞めたい会社が「民間企業が交渉するのは違法」ということを知っていた場合、非弁行為を弁護士会に通報することもあり得ます。

そうなると退職できないばかりではなく、違法な業者を利用したことで会社と大きなトラブルになるかもしれません。

また退職代行が違法行為を行っても依頼者自身が罪に問われることはありませんが、弁護士会や警察に聴取を受ける場合もあります。

非弁行為のような法律違反のトラブルを回避するためには、労働組合や弁護士の退職代行に依頼するようにしましょう。

退職代行の違法行為で被害に遭った時の対処法

退職代行の違法行為で被害に遭った時の対処法

悪質業者であることが巧妙に隠されていると、どんなに退職代行選びに注意をしても違法行為の被害に遭うかもしれません。

実際に被害に遭ってしまった時は自身で解決しようとせずに、専門家に相談するのがベストです。

対処法①弁護士に相談する

退職代行の非弁行為の被害に遭ったときは、まずその退職代行業者の事業所のある地域の弁護士会に通報しましょう。

「弁護士監修」とうたっていても民間企業の退職代行が、退職の交渉や未払残業代の請求などを依頼者に代わって行った場合は非弁行為です。

もし「どこの弁護士会に言えばいいのかわからない」というときは、お近くの弁護士に相談すれば問題ありません。

また退職代行業者との費用のことでもめたときも、弁護士に相談できます。ただし金銭問題を弁護士に相談すると、退職代行費用よりも弁護士費用のほうが高くなることもあるので注意が必要です。

対処法②警察に相談する

トレーダ歴2年のあかねさんAさん

退職代行に料金を払った途端連絡が取れなくなった

トレーダ歴7年のこうきさんKさん

「退職完了」の連絡が嘘だった

悪質な退職代行業者のせいで詐欺被害に遭ってしまったときは、警察に相談してください。かといって、本当に犯罪なのかどうか自分で判断しにくい場合もあるでしょう。

そのようなときは「警察相談専用電話」に相談するのがオススメです。警察相談専用電話は「110番」とは違い、生活の中で起こったトラブルの相談に幅広く対応してくれます。

警察相談専用電話 9110
受付時間 平日8:3017:15(各都道府県警察本部で異なる)

政府広報オンラインで詳細が紹介されているので、ぜひ参考にしてください。

対処法③国民生活センターに相談する

国民生活センターは、「消費者基本法」に基づき国や全国の消費者センターと連携して消費者問題における中核的機関の役割をしています。

国民生活センターと消費者センターは、行っている業務がほとんど同じです。しかし国民生活センターは、土日祝でも利用できます。

国民生活センターに相談したいときは、消費者ホットライン「188」に電話しましょう。188に電話すれば、お住いの都道府県等の消費者センターに繋がります。

また消費者センターが開設していない日には国民生活センター(消費者庁)に繋がり、相談することが可能です。

消費者ホットライン 188
受付時間 10時~16時(土日祝も同じ)

違法行為がわかったら利用者も罰せられる?

退職代行業者の非弁行為がわかった場合、その業者は2年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金に処せられます。

また「お金を払うと、退職を実行しないまま連絡が途絶えた」といった詐欺の場合、10年以下の懲役です。

退職代行業者が違法行為を行ったとき、利用者は被害者になるので同じ刑罰に処せられることはありません。ただし違法業者と知らなかったとしても、利用者側にも不利益になることもあります。

  • 退職に失敗する
  • 職場に戻って以前より辛い環境で働くことになる
  • 警察や弁護士会など関係各所から聴取を受ける

違法業者で不利益を被りたくないのなら、労働組合か弁護士の退職代行を選びましょう。

【まとめ】退職代行は違法?

【まとめ】退職代行は違法?

退職代行は「会社を辞めることを会社に代わりに伝えるだけ」ならば、違法にはなりません。しかし民間企業運営の退職代行は「退職の交渉」が認められていないので、交渉を行った場合は弁護士法違反となります。

また質の悪い業者に依頼してしまうと、退職を実行されずにお金を取られる詐欺被害にあう恐れもあります。

違法行為の被害に遭わないために、選ぶべきではない退職代行のポイントは3つです。

  • 弁護士監修の退職代行業者
  • 業務内容が非弁行為に該当する退職代行業者
  • 悪い評判や口コミのある退職代行業者

間違いのない退職代行に依頼して、安全かつスムーズに退職を成功させましょう。

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